以前の記事で、初心者として水泳を始め、何とか25mを泳ぎ切れるようになるための練習法について解説をいたしました。
その際に教えたクロールのフォーム(動き)というのは、実は完璧な正解というわけではないのです。
初心者でも理解しやすい動きになるように、正しいフォームを単純化しています。
また、速くなるためには教えなければならないが、「25m泳ぎ切る」という目標の場合は不要であることも教えてはいません。
そのため、そのままのフォームで練習し続けても一定以上は速くならないのです。
これはあたかも小学生に連立方程式ではなく、つるかめ算で解説するようなものです。
なので今回は、速くなることを目的として、正しいフォームというのを解説していきたいと思います。
速くなるために一番大切なこと
速くなるうえで一番気にしなければならないことは、水の抵抗を極限まで減らすことです。
地上で暮らしている中では、空気の抵抗というのは滅多に感じることはないので意識されず、推進力をどのように増やしていくかということに注力しています。
しかし、水の抵抗は空気抵抗の800倍あるといわれています。
推進力を増やすよりも、抵抗を減らすことを考えたほうが効率よく速くなれそうですね。
正しいストリームラインを作る
②について
ストリームラインは基礎中の基礎であり、これが凄く大切だと考えてます。ⅰ.姿勢作り
ⅱ.瞬間的な動きの後に作る
ⅲ.姿勢としてのベースから動きに繋げるこれらを実現するには前述した①が出来なければ不可能だと考えてます。
参考までに写真を添付
魔女トレ@miyanishizono との比較 pic.twitter.com/7nnlmB65CG— 平野 修也@アクアアスリート (@Naoya_Hirano_) December 4, 2019
抵抗を減らすうえでまず気にするべきは、正しいストリームラインを作ることです。
上にあげた画像が、正しいストリームラインです。
手の指先、肩、腰、足の指先までが一直線になっている左の状態が正解です。
多くの人は、手の指先が体の前に来てしまったり、腰が反れて後ろに出っ張ってしまったりして、正しいストリームラインというものを作れていません。
この姿勢、実はかなり難しくて、泳ぎ込んで筋肉がついていくほど、体が硬くなっていくため形が崩れてきてしまうのです。
泳ぐたびに毎回意識して正しい姿勢を作ろうとしてみてください。
ストレッチで肩回りを柔らかくしておくことも大事です。
伏し浮きができる
GoPro7 Whiteを購入したので早速水中でのテスト撮影。
去年の秋ごろから練習時間のほとんどを伏し浮きに割き、やっとここまでに成長。
最近、マスターズで活躍している柿添さんの記事がとても参考になった。https://t.co/kUWsLP0Xxt pic.twitter.com/4qvtY2WvFe— KENTA@プログラミング初心者 (@inokenta888) February 15, 2019
もう一つ大事なのが、浮けることです。
初歩の初歩だと思われがちですが、浮くこともまた難しい技術なのです。
そもそも、人間の浮袋である肺は重心から少し上のほうにあります。
そのため、技術を持たない人が浮こうとしても足が沈んで行ってしまいます。
かくいう私も完璧にはできません。
数秒しかキープできないのです。上の映像の方はとても上手です。
練習のやり方については、日本選手権スイマーの方の記事がとても参考になったので、読んでみてください。
伏し浮きはコツをつかめば急にできるようになるので、何度も何度も練習してみてください。
クロールの正しいフォーム
ここまでで、クロールを速く泳ぐための前提となる技術を教えました。
次は、クロールの正しいフォームについてです。
大きく分けて、6つの局面があります。
①エントリー
②キャッチ
③プル
④プッシュ
⑤フィニッシュ
⑥リカバリー
それぞれ詳しく見ていきましょう。
①エントリー
水を掻いた手を戻してきて、再び水に入れていく動作のことをエントリーと呼びます。
エントリーの際に注意するべきことは、水面と並行に手を入水させることを意識することです。
また、なるべく手を遠くに伸ばすことも意識しておく必要があります。
というのも、次の局面において水を掻き始めるときになるべく遠くの水を掻いていきたいからです。
②キャッチ
水を掻き始めることをキャッチと言います。
水をしっかりと捕まえておく、ということを意味しています。
エントリーしてきた手の指先が、水面につくかつかないかくらいのところから、逆の手でキャッチをし始めます。
この時、手首と肩を固定し、ひじを曲げることで水を抱え込み始めます。
抱え込んだ水の上に乗っていくイメージを持っておいてください。
③プル
キャッチで抱え込んだ水を胸のほうに引き寄せていきます。
この動作をプルと呼びます。
ここまではまだ、肩と手首は固定し、ひじを曲げていく動作しか行っていません。
注意すべきは、手のひらの向きです。
進行方向と逆向きになるようにしておきましょう。
このようにすると、次の局面でしっかりと推進力が得られるようになります。
④プッシュ
プルで胸のほうまで持ってきた水を足のほうに押し出していく局面です。
この部分で最も推進力が得られます。
一番力を入れるべきポイントです。
プッシュの瞬間に、キックも強くすることで、強い推進力を得ることができます。
ただ、あまり力を入れすぎると、沈んでしまったりして抵抗がかかるので力加減については泳ぎながらちょうどいい部分を探していきましょう。
⑤フィニッシュ
前から持ってきた水を後ろに開放していくのがフィニッシュです。
正直この部分に関しては、リカバリーのために手を水から上げるタイミングをうかがっているだけだと思ってもらって構いません。
「フィニッシュの部分まで水を掻ききれ!」
という指導者もいますが、実際にやるととても疲れるのにタイムは全く変わらないので、プッシュが終わったらフィニッシュ局面では力を籠める必要はありません。
⑥リカバリー
後ろに持ってきた手を前に戻すための局面です。
フィニッシュで水を掻ききらないで力があまり入っていない状態からリカバリーは始まります。
なるべく力を使わず前に手を戻していけるように、ひじを使って腕全体を動かすイメージです。
いわゆるハイエルボーといわれる技術で、ひじを高く掲げるようにして動かすと、あまり力を入れずとも、正しいエントリーの位置に手が戻ってきます。
初めは難しいと思うので、ひじを高くすることを意識してみてください。
まとめ
クロールの手の動かし方については、6つの局面を滑らかにできるように泳ぎまくることが大切です。
自分では正しいと思っていても、全く違う動きをしていたりするので、正しい動きを知っている人に見てもらいましょう。
どこが間違っているのか、というのを教えてもらえばだんだんとうまくなっていきます。
友達同士で教え合うのもいいですが、個人指導などでプロに習うのもよいと思います。
ぜひ試してみてください。
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