泳げるようになってくると、自分の力を試したくなってきます。
どのくらいの速さで泳げるのだろうか?と。
それを確かめるために、多くの人が水泳の試合に出たりします。
大きなプールであれば、年に3~4回ほど開催されており、だれでも参加できるものも多いです。
試合では、プールサイドから水に飛び込んでスタートします。
そのため、試合に出るのであれば、飛び込みをマスターすることは必須です。
今回は、スタートの練習の方法について述べていきたいと思います。
また、今回の説明は感覚ではなく、理論的なものになっているので少し骨のある記事になってます。
ぜひ理解してみてください。
練習場所
スタートの練習ができる場所は、とても少ないです。
東京近郊であれば、辰巳国際水泳場、千代田区立スポーツセンター、横浜国際プールの3つしかありません。
他の地域であると、主に50メートルプールが設置されており、なおかつ国際基準のプールであると設置されていることが多いようです。
自分の地域にはどこに国際基準のプールがあるのかは、ぜひ検索して探してみてください。
スタートの種類
競泳のスタートは大きく2つに分けられます。
足をそろえるグラブスタートと、足を前後に開くクラウチングスタートです。
グラブスタートは、しっかりと足の力を台に伝え、力強く踏み込むことができ、もともと足をそろえているので、入水もきれいにできると言われています。
ただし、重心を移動させにくいため、反応が遅れてしまうという欠点があります。
クラウチングスタートは、グラブスタートとは逆に、反応が速くなりますが、踏み切る力が弱まってしまうと言われています。
また、足がそろっていないまま飛び込んでしまうと抵抗になってしまうということもあります。
オリンピックなどを見てもらえればわかりますが、ほとんどの人はクラウチングスタートでやっています。
スタートの各局面
スタートの動作は次の3つに大きく分けられます。
1、スタート台上の動作
2、空中動作
3、入水動作
これらでいちばん重要なのは、スタート台上の動作です。
ほかの二つは、スタート台上での動作がしっかりできていれば、それほど難しいことではないです。
スタート台上での動作
では、早速一番難しい部分から説明していきましょう。
スタート台上での動作とは、構えてからスタート台から足が離れるまでを指します。
この部分で、スタートについてはほぼすべてが決まるといっても過言ではないでしょう。
この部分において大切なことを3つ挙げます。
1、腰の位置をなるべく高く保つこと
2、腰の位置をなるべく高く保ったまままっすぐに台をけること
3、入水するポイントを見ること
この3つです。
順番に理由とともに説明していきます。
1、腰の位置をなるべく高く保つこと
これについての説明は、物理を使っていきます。
飛び込むときの軌道は、競泳のスタート台程度の高さであれば、重心の軌道つまり腰の軌道になります。
腰の位置によって、飛び込むときにどれだけの位置エネルギーを使うことができるかが決まるわけです。
エネルギーが多いほど入水した時の加速が大きいと言えます。
腰の位置を高く構える方法としては、「でっちり」があります。
漢字で書くと出尻ですね。
器具を使って行う下半身トレーニングの一つであるデットリフトなどを行うときの基本姿勢です。
腰の位置を保つための姿勢の作り方
スタート台に立ったら、片足を後ろに下げます。
この姿勢のまま、骨盤を動かすようにして、お尻だけを突き出します。おなかがへこむ感覚です。そして、胸も張ります。肩甲骨を閉じて腕を引き付ける感覚です。その姿勢を保ったまま前傾になり台をつかみます。この状態が最も腰の位置が高い状態です。
2、腰の位置をなるべく高く保ったまままっすぐに台をけること
次は、飛び出す角度についてです。
結論から言ってしまうと、入水後の抵抗が全く同じであったとして、最も速く遠くまで到達できるのは、水面と平行につまり角度0度で飛び出したときです。
これは、台から飛び出す速度と重力加速度の関係から数学的に導かれる結果であり、技術的な部分はあまりかかわっていません。
45度で飛び出すのが一番遠くに飛ぶんじゃないの。
そんな声が聞こえてきそうですが、実際に計算してみると人がスタート台からとび出す速さが遅すぎるため、その条件は適用できなくなってしまうのです。
直観的にわからなくとも、オリンピックなどの最高レベルのレースのスタートの写真を見ればわかります。
ほぼ全員が台をまっすぐけってとび出しています。
これについては練習あるのみです。ひたすらにまっすぐとび出す練習をしましょう。
3、入水ポイントを見ること
意外と忘れがちなのがこれです。
入水ポイントを見ることによって、入水の姿勢がしっかりとれます。
なぜかと聞かれると分かりませんが、実際に目をつぶってとんでみるとめちゃくちゃな入水になってしまうと思います。
しっかり入水ポイントを見て入水しましょう。
まとめ
1、腰の位置をなるべく高く保つこと
2、腰の位置をなるべく高く保ったまままっすぐに台をけること
3、入水するポイントを見ること
もう一度重要なポイントを書いておきます。
人間の体は、重力に支配されています。
重力のことを考えずに理想だけで練習すると、とんでもない理論が出来上がります。
たまには感覚でなく、科学的に分析して自分の泳ぎを見直してみるのもいいのではないのでしょうか。
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