今回は、水慣れの指導の仕方について書いていきたいと思います。
対象のお子様としては、プールという場所は好きだけれども、水が少しでも顔にかかるとものすごく嫌がる、というのを想定しています。
初めから、水に自分から飛び込んでいくようなタイプの子は想定していません。
今回の記事では、顔付け~少し潜れるくらいまでの練習方法について書いていきます。
プール道具を買う場合は、以下の記事を参考にしてください。
以前の記事はこちらを参考にしてください
⓪お家でできる水慣れ方法編
①プールに慣れよう編
②練習への準備編
③蹴伸び練習編
④バタ足練習編
⑤ボビング練習編
⑥息なしクロールの練習編
⑦息継ぎありクロール練習編
一番大事なこと
精神論にはなってしまうのですが、教えるうえで一番大事なことをまずお伝えします。
水慣れを教える相手は、たいていの場合は幼児~小学校低学年であるはずです。
まだまだ精神的には不安定な年齢です。
そのため、大人と接するように接すると必ずうまくいきません。
守ってほしいのは、否定をしないことです。
保育業界や育児の世界ではよく言われていることではありますが、「なんでできないの?」というのは禁句です。
できないものはできないんです。
特に、水慣れなんて面白がって顔に水をつけられないわけではありません。
純粋に恐怖心を持っているのです。
見たこともないような大量の水を目の前にするのは、あたかも橋の上でバンジージャンプの準備をしているようなものです。
「今できなかったね、ちょっと怖かったね。もう少ししたらもう一回挑戦してみよう!」
「今できそうだったね!惜しい!もう一回やればできるかもよ?」
「今できたね!すごい!もう一回やってみよう!」
言い方はいくらでもあるはずです。
練習方法
ここから、実際に練習の方法を書いていきます。
最終的な目標としては、潜れるようになることです。
そこにたどり着くために何をやればいいのかを順番に説明していきます。
まずは水の感覚に慣れてもらう
いきなり顔付けや潜る練習をするのではなく、水に慣れてもらうことから始めましょう。
浅い幼児用プールで行うのがおすすめです。
まずは、プールの中をゆっくりと歩きましょう。
水が体にあたる感覚を覚えてもらいます。
少し歩いたら、しゃがんで歩いてみましょう。肩まで水につけて歩けるようになるまでスムーズに行けると思います。
教えているほうは、じれったい気持ちになりますが、早く進めすぎるのはいけません。
そこまでできたら、手をもって一緒にジャンプしてみましょう。自分の作る波で多少水が顔にかかりますが、声をかけて安心させながらやれば大丈夫です。
顔を水につけるための準備
ここまではスムーズにいくでしょう。
次は、顔に水をつけるための準備です。いきなり顔を水につけてみようと言っても無理なので、やめましょう。
水に恐怖心を抱いている原因としては次の二つが考えられます。
①目や鼻などの粘膜に水が触れると痛いと知っている、またはそう思い込んでいる
②息が自由にできなくなることが怖い
①の対策として、目の粘膜、つまり目に水が入ることを防ぎます。
つまり、必ずゴーグルはつけましょう。
未だに無いほうが自然でいいと思っている方がいるようですが、水の中で目を開ける必要性は皆無です。
痛みでプールが嫌いになってしまうようであれば、つけたほうがいいに決まっています。
絶対につけましょう。
鼻の粘膜に関しては、防ぐ方法が鼻で息をしないということだけなので、②とつながってくるでしょう。
②を解決する方法として、水の中では自由に息ができないものだということを覚えてもらう他に方法はありません。
顔付けの練習方法
・口を閉じて水につけてもらう。この時息を止めることを教える。
⇒波が少ないタイミングを狙ってください。子供がコントロールできない要因で失敗しないように気を付けます。
・次に、口で息を吐きだしながら「ブクブク」と音が鳴るように水に口をつけてもらう。見本を見せるとわかりやすいと思います。
そして、口を自ら離すときに「パっ!」と言ってもらう。
⇒息を吐くことを意識させます。吸うことを意識から取り除かないと、水の中で吸ってしまうためです。
・口まで入ることができたら、次は鼻まで入れるかやってもらう。鼻を水につけることが第一関門です。反射的に吸ってしまう子が多いため、失敗する確率が急に上がります。
⇒対策としては、まずは鼻をつまみながら潜ってもらいましょう。鼻をつまめば絶対に水が入らないので、怖がってやってくれなかった子も試してみてくれるでしょう。何度か繰り返していく中で、水の中で鼻から手を放してもらったりして、手がなくても大丈夫であることを認識させていくとよいです。何度もやっていくうちにできるようになります。繰り返しの練習が大切です。
潜る練習
ここまでできてしまえば、潜るのは簡単です。
足のつかないプールに移動して、一緒に潜ってあげればいいのです。
一緒にやれば、子供の恐怖心は半減します。
やってみようという気持ちになります。
なので、やらせるのではなく、一緒になってやってみてください。
ここまでで、大体一時間でできるようになれば上出来です。
まとめ
水慣れは、練習というよりも恐怖との闘いという面がとても強いです。
プールへの恐怖を取り除くために、一緒になって練習してあげてください。
気持ちに寄り添ってあげることが技術的なことよりも大事であると思います。
プールが怖いと思う人が一人でも減ればいいと思っています。
この記事が参考になれば幸いです。
コメント