クロールや背泳ぎはなんとなく形を作ることができれば、泳ぐことができたと思いますが、平泳ぎを泳ぐためには多くのテクニックが必要です。
そのテクニックを自分で見つけ出そうとすると、膨大な時間がかかってしまいます。
そこで今回は、現役スイマーの私が多くの人の話をもとにして、正しい泳ぎというのを書いていきます。
平泳ぎで一番大事なのはキック
他の泳ぎでは、キックはおまけのような立ち位置でしたが、平泳ぎだけは違います。
主役はキックです。
キックをリズムよく、しなやかに打てることで泳ぎ全体がまとまり、上手に泳げるようになるのです。
早速正しいキックの練習方法を見てみます。
平泳ぎのキックを動画で解説
まずは、動画をご覧ください。
イメージがついていたほうが、言葉でも伝わりやすいので、初めに動画でイメージを作ってください。
今回お教えするキックは、北島康介選手が生み出したとされる、世界のトップ選手が使用するような、速さを求めるキック(ウィップキック)ではなく、カエル足と呼ばれる、基本のほうのキックです。
ウィップキックについては、別記事で解説いたします。
キックの形の練習方法
まずは、プールサイド(家で椅子に座ってでもよい)に腰かけた状態で練習を行います。
①足を延ばした状態から、かかとをお尻に向かって引き付けていく
(この時、膝を開かないように注意する)
②ひきつけられたら、足首を立てて、足の裏で水を押す準備をする
③弧を描くようにして水を後ろに勢いよく蹴る
(この時、まっすぐ蹴ろうとしてはダメ。足が通った後が弧を描くように)
④蹴り終えると同時に足首をのばしてフィニッシュ
動作としては、4段階ですが、その中にやることがたくさんあることがわかるでしょうか。
実際に初心者がやろうとすると、ものすごく複雑で難しいです。
なので、一つ一つの動きをゆっくりと確実にできるようにして、だんだんとそれぞれの段階の動きをスムーズにつなげていければいいと思います。
一番意識してほしいのは、足の裏で水を蹴るということです。
座った状態での練習で大方できるようになったら、次はプールサイドにつかまった状態でやってみましょう。
動かす順序や、気を付けるポイントは変わりません。
水に浮いている分、キックの推進力を感じることができるようになります。
ビート板を使ったキックの練習
キックの形が大体わかってきたら、次は実際にキックを使って進んでみましょう。
ビート板を持って、壁につかまっていた時と同じようにキックをしてみてください。
どのように進んだでしょうか?
全く前に進まなかった場合
足の裏で水を蹴れていない、あおり足の状態になってしまっている可能性が高いです。
直すポイントとしては、足をお尻に引き付けたときに足裏がしっかりと後ろを向けるように意識してみましょう。
自分で見ることは難しいので、人に見てもらうかまたは、もう一度座った状態でキックの練習をしてみて、しっかり足首が返って水を押すことができているかというのを見てみましょう。
ただ単に、足首が固いだけという場合もあります。
その場合は、足首のストレッチをしましょう。
時間はかかりますが、1週間もまじめにストレッチをすれば大きく改善します。
前に進むが後ろに下がる感覚もある場合
足をお尻に引き付ける際に、足首が水を蹴るときの状態のままである可能性があります。
足をお尻に引き付けるときにはなるべく力を抜いてリラックスした状態でひきつけましょう。
力を入れるのは、水を入れるときだけでよいです。
足が沈んでしまう場合
足が沈んでしまう理由は、顔を水面から上げすぎようとしているからというのが最も大きい原因です。
人体は、体全体の約10%しか水に浮かないようにできているので、必要以上に体を水上に出そうとすると、どこかほかの部分が沈んで行ってしまいます。
キックの練習をしている場合は、顔を高く上げてしまっている場合が多いので、水面に口が付くかつかないかくらいに保つことを意識しましょう。
平泳ぎの手の動かし方
こちらもまずは、動画を見てみてください。
1分25秒からが手の使い方のパートです。
基本的に手は、水を掻いて進むためではなく、息継ぎをするために勢いをつけるためのものだと考えてもらって構いません。
手の動かし方には4つの段階があります。
①腕を伸ばした状態で、腕を肩幅くらいまで広げる
②脇を締めるようにして、手のひらを返し手を胸の前に持ってくる
(手の位置としては、顔を洗う時に手のひらで水をためて顔を洗う直前くらいの位置です)
③顔を上げて息をする
④顔を水に入れながら、手を前に伸ばす
なるべく力を使わないようにして、スムーズに動かせるようにしましょう。
手と足を組み合わせる
いよいよ最終段階です。
手と足を組み合わせていきます。
平泳ぎでキックの次に大事なのが、タイミングです。
タイミングが合わないと、いくら素晴らしいキック素晴らしい手の動きがあろうと、全然前に進まなくなってしまいます。
タイミングとして次のように泳ぐとよいです。
①腕をまっすぐに伸ばした状態から、水を掻き息継ぎをして、手を前に出し始める
②手を前に出し始めたと同時に、足をお尻に引き付ける
③手を前に伸ばし切ったところで、キックを打つ
④少し伸びる
この4つを繰り返していくのが平泳ぎです。
些細なタイミングのずれが、推進力に大きくかかわっていくので、しっかりと頭の中でイメージを作ったうえで練習に臨むのが良いと思います。
まとめ:平泳ぎの泳ぎ方
泳ぎ方、練習の仕方はわかっていただけたでしょうか?
実際問題として、平泳ぎを独学で行うのは至難の業です。
手足の動きが正確かどうかを見てもらうためにも、個人指導やスポーツクラブのワンポイントレッスンなどに出てみるのもいいかもしれません。
マスターできれば、泳ぎ続けることもできるので、いい有酸素運動になることでしょう。
ぜひ、身に着けてみてください。
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