今回は、短距離が速くなる練習メニュー(スプリント用メニュー)について解説していきたいと思います。
解説する内容としては、効率の良い腕の動かし方を身に着けるドリルや飛び込み方、姿勢の作り方などの技術的なことではなく、筋肉への刺激の仕方、スプリンターとしての神経系を刺激するための練習の仕方を解説しています。
飛び込みなどは、別記事にて解説していますので、見てみてください。
短距離を速く泳ぐ秘訣とは
短距離を速く泳ぐために考えるべきことはたったの2つです。
①最小限の力で最大限の推進力を得ること
②推進力を邪魔しないようにきれいな姿勢を作ること
この2つです。
推進力について
水を勢いよく掻いて推進力を得るには筋力が必要ですが、短期間で筋力を得ることはできません。
筋力をつけるためにトレーニングをすることは当たり前として、今のまま速くなるにはどうすればいいでしょうか。
水を掻く回数を増やせばいいのです。
つまり、腕の回転数を上げることで推進力を増やすことができます。
腕の回転数を上げるにはそうするための神経系を発達させる必要があります。
推進力を得る練習としては、神経系を刺激する練習を取り入れていきます。
きれいな姿勢を作ること
きれいな姿勢を作る方法としては、伏し浮きができるようにする、蹴伸びの距離を伸ばせるように意識して長めに蹴伸びをするなどいろいろ方法がありますが、一番即効性があるのは息継ぎをしないことです。
息継ぎをすると、体積の大きな部分を水上に出すことになるので、体全体が少しだけ沈むことになります。
体が沈むということは、抵抗が増えることにつながります。
なので、短距離の場合はなるべく息継ぎをしないというのが速くなる方法です。
練習メニュー
今回は、息継ぎ我慢するための練習を1つ、腕を速く回すための神経系のトレーニングを2つ、計3つを紹介していきます。
息継ぎを我慢する練習:スイムロケット
まずは、息継ぎを我慢する練習です。
スイムロケットという練習を紹介します。
サイクルは、50mを30秒くらいで泳げる人であれば、1分30秒くらいを目安としてください。
50mの前半の25mを潜水で進みます。
この時、なるべく呼吸をしないようにしてください。
後半の25mはスイムで帰ってきてください。
運動強度としては、潜水もスイムも8割~9割くらいの力で頑張って泳いでください。
しっかり体を動かしている中で、どれだけ呼吸を我慢することができるかという練習です。
このメニュー後には酸素が足りなくなり、かなりつらいので、次のメニューに移る前に十分な休憩時間を設けてください。
神経系を発達させる練習:フロート状態からダッシュ
【8sec sprint】①50mのBestから8秒間で進める距離を換算しスタートラインを設定。②8秒以内に壁まで到達できるか全力チャレンジ。③到達できたら少しずつスタートラインを下げていく。自然と頑張れちゃうスプリント練。タッチの練習にもなります。
※リアクション大きめを注文したらヤラセ感溢れた笑 pic.twitter.com/kow9KkUzEn— 浜上洋平(大阪体育大学女子水上競技部 コーチ) (@hamagamiffy) December 11, 2019
短距離では、スタート直後から爆発的に推進力を得る必要があります。
そのトレーニングとしては、力を0から100まで一気に上げられるものをやればいいのです。
伏し浮きの状態から、8秒間全力で泳ぎます。
ただそれだけです。
これを6本くらい行うと、かなり疲労が出てくるので、十分かなと思います。
この8秒間はもちろんですが、息継ぎなどしてはいけません。
だんだんと体が慣れてくると、動くようになってきますので、少しずつ成長するのを感じてみてください。
神経系を発達させる練習:壁キックからスタート
壁に手を付けて8秒間全力でキックを行います。
8秒たったら、素早くターンをして浮きあがりから3掻き位までを全力で行います。
この練習では、落ち着いた姿勢ではない姿勢からダッシュをできる練習です。
試合により近い状態でダッシュをすることができるので、試合前などに取り入れたい練習です。
まとめ
短距離は才能の世界であるといわれていますが、実の話はその才能をどこまで引き出せるかはどのような練習をするかにかかっています。
どのような練習をすれば速くなるのか、ということをしっかりと考え、それを高めるためにはどのような練習をすればいいのかということをしっかりと考えてみてください。
私が紹介した練習はほんの一部です。
水泳は競技人口がそれほど多くないことから、まだまだ新たな練習方法が発見される可能性があります。
最新の練習メニュー、体の使い方についての考え方は以下の書籍に詳しく書いてありますので、まだ読んだことがない方は手に取ってみてください。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
コメント